共著論文がJGR Atmospheresに受理
名古屋大学大学院卒の久富章平さん、中澤准教授らを著者とする投稿論文 “Multiple Gamma-ray Glows and a Downward TGF observed from Nearby Thunderclouds” がアメリカ地球物理学連合の専門誌 Journal of Geophysical Research: Atmospheres に受理されました。速報版はこちらで公開されています。
この論文では、2020年1月13日に石川県立金沢泉丘高等学校と金沢大学附属高等学校で同時観測されたガンマ線グロー・地球ガンマ線フラッシュの観測結果を報告しました。まず2箇所の検出器で1つ目のガンマ線グローが同時観測され、それは観測途中に雷放電によって消失しました。その後、数分後に2つ目のガンマ線グローが同時観測され、こちらも雷放電によって消失しましたが、その消失のタイミングで地球ガンマ線フラッシュが起きていたことがわかりました。地球ガンマ線フラッシュとガンマ線グローの途絶の同時観測は2例目です。
ガンマ線グローについて気象レーダーとの比較を行ったところ、2つのガンマ線グローのどちらも、単一の照射領域が風で流されたのでは説明できないことがわかりました。このことから、複雑なガンマ線グローの形状をしていた、もしくは時間的に急発達した可能性を、気象レーダーのデータを元に議論しました。高性能なガンマ線検出器を密に配置できていたことと、高性能な気象レーダーが現業用で配備されていたことが、今回の成果に繋がりました、
和田は本論文では第3著者としてデータ解析や解釈、論文執筆のサポートを行いました。